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『クサリモノ』
2013/PC・Android/黒猫銀次
もともとPCのフリーゲームだった作品のAndroid版がリリース、無料だったのでプレイしてみた。タップでページ送り、ログを読み返す機能も搭載されていて操作感は問題ない、Android版はオマケのアナザーエンディングが追加されている模様。ゲームという形態を活かしたちょっとしたギミックはあるけど、選択肢なしのノベルなので1時間もあれば最後まで読める。ということで是非プレイしてからこれを読んで欲しい。今回ばかりはネタバレ多め。
Google Playのレビューに、泣ける、感動した、綺麗な物語、とかあって、ホラーゲームなのに、へえ、と思いながらやってみたら爆笑必至だった。ざっくりさわりを説明すると、人間とゾンビが共存する世界で少年と少女が守ったり守られたりする話。ゾンビについての科学的根拠だとか説明がましい設定だとかをくどくど解説されるのはあまり好きじゃない方なのでその辺がほとんど省かれてあったのには好感もてた。テキストの稚拙さはかなり気になるレベルではあったけど、逆に言うと余計な装飾もなく必要最低限の情報だけが書かれているので、突っ込みながら読む分にはさほどストレスにもならず、脳内補完しつつ場面を想像するには充分。画像の展開も多くはないけど、要所要所には用意されてる。
でもやっぱり面白い。アドレナリンのおもむくままに、とか中々でてこない言葉だと思う。髪にいもけんぴついてるレベル。
いちばん笑えたのはこのゾンドルのくだり、天才。
最後の種明かし場面で流れるBGMはフリゲ御用達の大手サークル、煉獄庭園の「DEATH TONE」という曲。『らんだむダンジョン』や『悠遠物語』でも使用されている名曲。とは言え流れたときにはやっぱり来たか煉獄庭園、という感じで結局笑ってしまった。
ゾンビ映画フリークにはわかって貰えると思うのだけど、自分はどうしてもゾンビものはコメディとして見てしまう傾向があって、ゾンビとゾンビに対峙する人間の死生観倫理観くそくらえ感が大好きで、このゲームの随所にそういう部分が見てとれたのが何よりグッド。セカイ系のような出来上がっちゃってぶっ飛んでるタイプ、好きな人は好きなんじゃないかな。パラレルや時間遡行ではないけど、ストーリーはある意味ひぐらしやシュタゲやまどマギのようなループものとして見られなくもないし、清楚な女の子もゴスロリの女の子もでてくるし、もしかしたら二次創作コンテンツが盛んになるかもね。